2009/10/14

広がり拡がる、『趣味の世界』 Pt.2 - パトレイバー(2)

(『Pt.1』からの続き…)と、いまさっきは悪人のサイドに『遊び』のフンイキを見てみたが、われらがヒロインの属するレイバー隊の側にも、大いにソレ風なモノがある。TVシリーズの第3話『こちら特車二課』の巻とゆうのを何ンとなく見てたら、『コレは「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」のさいしょの方のパートを≪反復≫してるなァ』…と感じた。ソレを感じなければウソだと想うが、後でクレジットを確認したら案の定、この回はわれらが押井守の脚本によるモノで。

どンな物語かカィとくと、めでたく希望の『特車二課』ことレイバー隊に配属された野明が、ソコでのキンムのあり方に、大いにビックリするハメになる。まずその隊の所在地がヘンピな埋め立て地で、タイヘンに不便。そんなトコに『待機』とゆう名目でカンヅメにされた隊員らが、まずは敷地内の草刈りに精を出したかと想うと、次には岸壁で海釣りに興じる。
とは遊んでるよーな感じしかしないので、さすがに野明がギモンを申し立てると、センパイ格の隊員≪遊馬(あすま)≫は、『この隊ではまず、食料の確保が大問題なんだヨ!』のよーに教える。ココは買い物が超不便だし出前も昼にしか来ないので、われわれは自給自足体制の確立を目ざさねばならン!…とゆうのだ。この場面あたりのダイアログが、まさにわれわれのよ~く知る押井節そのモノでありつつ。
そーしてカレらの目の前の海を、隊に属する船舶が通り過ぎる。どーゆう出動かと想ッたら、コレがまた遠出して海産物の収集に出かけるとゆうのだッた。

…別にツッコんでもしょーがないんだが、そーやって東京湾のハゼばっかし喰ってるのは健康にどーなのか、また、大がかりにヤリすぎちゃ~地元の漁協からモンク言われねーか、等々とは想うけど。ま、ソレはともかく…。
(さっき申した、コレが「ビューティフル・ドリーマー」を部分的に≪反復≫してるとは、フザケ半分な共同生活、シンケン味のないサバイバル、そしてヒトビトが横に並んでの海釣りシーン…。等々と、まぁタブン申すまでもなきコトかと)

やがて夜になって、漁に出た船舶が岸壁で座礁した、とゆう事故の知らせが届く。基地のすぐ近くが現場なので、レイバーで船舶を何ンとかしよう、とゆう相談になる。ところがウマくイカず手こずってると、整備部のコワ~いボスである≪おやっさん≫が、夜中だッてのに忘れ物をしたとかで基地に向かってクる。この一連の不シマツをカレには知られまいとして、隊員らは必死の策を講じる。
その『必死の策』らの中でケッ作すぎるのは、おやっさんを路上で足止めしよーとして遊馬らが、かってに一斉検問を実施するコトだ。こンなくだらねー理由でケーサツ権力の執行に出ようとは、とんでもねー≪がきデカ≫たちがいたモンだッ!

でまぁ、どーにかしてこの≪こまわり君≫たちは事態を収拾する。つか収拾したツモリになるが、実はおやっさんは、ほとんど『すべて』を察してるのだ。けれどもカレがとやかく言わないのは、明言されてないケド、こーした『遊び』らが訓練の代わりになって、隊員たちを成長させるだろーから…てなツモリらしぃ。
コドモらの『遊び』のアレコレは、いずれオトナの仕事をするタメの訓練と見なしうる、とゆう考え方はある。にしてもわれらがレイバー隊のしょくんは、そろってオトナのクセに、そして税金でまかなわれた資材や機材らを用い、しかも公権力を乱用しつつ、カレらの『遊び』に興じてやがる。まぁどーせ作り話だし、おやっさんに代わってオレがとやかく言うツモリもないけれど…。

ソレコレを見てっと、原作まんがの柱である内海一味とレイバー隊とのシレツなる闘いの連続もまた、ひじょうにリッパな『遊び』に見えてクるのだった。内海はそーとーにランボーなコトも仕掛けてキやがるけれど、しかしわれらの隊員たちを皆殺しにしよーとか、東京全都を火の海にしよーとか、ソコまでのツモリはないのだ。
ただ単なる、『趣味の世界』の追求!…カレが望むよーな『遊び』の舞台へと相手を引きずり出すタメだけに、内海は挑撥を繰り返してるのだった。ゆえに原作まんがの大詰め、フトドキにもレイバー隊の基地に奇襲をかけていったん成功を見た内海は、『こんなンで、本物のテロリストに襲われたらどーすンの?』的なコトを言いくさる。カレがヤッてるコト自体は本物のテロだが、けれど確かに、カレのよーなシュミ人を本物のテロリストと言いがたい感じはある。カレはすべてを≪何か≫につぃてのシミュレーションとしか見ておらず、そしてシミュるコトには必ず『遊び』のフンイキがツキまとう。

だから内海がカレによるシミュレーションを、コンピュータゲームから始めて実世界へと持ち込み、かつそのスケールを野放図に増大さしてくコトは、ひじょうにネジくれたカタチで≪現実的なもの≫が、ソコで追求され(そこなっ)てンのだ…と見るコトもデキそーな感じだ。プレーヤーらは『遊んでる』と自覚すればこそゲームに≪リアリティ=現実味≫を求め、しかし≪リアル=現実的なもの≫をみごとに見そこねる。
≪現実的なもの≫とゆうモノを見たいが見たくないので、カレはシミュレーションに精を出してるのだ。ドコまでヤッたら、カレは≪リアル≫に、せめてその断片に接しられるのか? いくらシミュレーションをきわめてその≪リアリティ≫を増大さしても、ソレが≪リアル≫に転じるコトはない、と、ワカってんだかどーなンだか…。ワカっててことさらに≪リアル≫を避けている、とゆう感じをも受けながら。
(とゆう≪リアル≫のなさおよび、『シミュレーションしかない』とゆった感覚…。コレがまったくもって押井守チックなモチーフでありすぎるとは、ココをご覧の皆さまに対し、申すまでもなきコトかと)

そしてそのチョッと前、内海のプロファイリングをこころみたレイバー隊の後藤隊長は、『コイツはコドモだ』とまでは見抜く。内海が、ふだんはビジネスマンごっこをしてながら、その次には犯罪ごっこに手を染めたのだ…とゆうあたりまでは見抜く。けれど筆者の見るところ、この作中で実社会の中に稚気あふれる『趣味の世界』を展開しよーとしてやがるのは、決して内海1ピキのシワザではない。
野明がさいしょにチャンとゆってたとーり、ヘンに過剰にカッコいいイングラムとゆうメカの登場とゆうコト自体が、『趣味の世界』の始まりに他ならないのだ。税金を使って遊んでるかのよーにも見れるレイバー隊の存在が、会社のカネで遊ぶ内海のよーな≪悪党=ゲームプレーヤー≫の登場を促してしまってるのだ。とまでを申して、「パトレイバー」のハナシはまたいずれ。

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