2009/10/14

広がり拡がる、『趣味の世界』 Pt.1 - パトレイバー(1)

「機動警察パトレイバー」の映画版…特にそのさいしょの作品は、われらが押井守カントクの代表作の1コかのよーに言われてる。とゆうワケで見てはみたんだが(第2作とあわせ)、けれど何ンだか筆者には、『分かるケド分からない』のよーな感じが残ったのだッた。

とゆった『分かる』とは、『オハナシの流れはひとまず分かる』、とゆうイミだ。しかし、びみょうな分からなさが残るのはナゼかなァ…と考えたら、そもそも自分が「パトレイバー」シリーズをほとんど知らン、とゆうコトに思いあたッた。
筆者が察するに押井版の「パトレイバー」映画2本はカタチとして、このシリーズの積み重ねのほぼ頂点にあるよーなモノなのではと。そーとすると自分はおそらくココで、「うる星やつら」の原作まんがやTVシリーズをゼンゼン知らなくて、その押井版の映画2本(「オンリー・ユー」, 「ビューティフル・ドリーマー」)を見たよーなコトになってンのでは?

と想ったので少しずつ、この「パトレイバー」シリーズの原作やTVシリーズを知るコトから研究を始めてンのだが。そーして筆者がひじょうに強いモノとして感じたのは、今シリーズの全般にただよッてる、『遊びのフンイキ』だ。

…ゆうきまさみによる原作まんがの冒頭、そのヒロインたる若い婦警候補生≪泉野明(いずみ・のあ)≫は、いずれ彼女が乗るコトになる主人公メカ≪イングラム≫を初めて見て、趣味の世界だねえ…』と、想わずつぶやく。ソレは、本来の土木作業に使うよーなレイバー(シリーズ中の用語で、ヒトが乗り込むロボット)らに比べ、イングラムが過剰にカッコよすぎ…とゆうコトをゆってンのかと想うが。
そしてその『趣味の世界』とゆうコトバのさし示してるのが、筆者の感じた『遊びのフンイキ』、フカシギなヨユー、とゆうコトなのかと。その場面にて、このシリーズ作の全体をさしてそのヒロインが、『趣味の世界』と規定した…とゆう感じがするのだった。

今シリーズ「パトレイバー」の概要はとゆえば、警官である主人公らが≪パトレイバー≫(ケーサツ用のレイバー)を使って犯罪者たちと闘うよーなモノかとお見うけしつつ。しかしナニやら『遊び』っぽぃゾと申すのは、まずオハナシの動因を作ッてる≪犯罪者たち≫の方からして、あまりシンケン味がない。
原作まんがを見てみると、その主な悪役には2つの系統が存在してる。まず1コは≪地球防衛軍≫を名のるエコ・テロリストらであり、もう1コは≪内海課長≫が指揮する外資レイバー会社の中の一味だが。
そしてドッチも何ンだか、遊び半分で大がかりな悪さをしてるよーにしか見えないのだった。悪人であるコトに変わりはなくても、われわれが三面記事でお目にかかるよーな実在のナマぐさぃ犯罪者たちとカレらとは、フンイキがゼンゼン違う。ゆうきセンセ一流の、常にドコとなく落語チックな語り口が、またそのムードを盛り上げながら。

特に内海の所業において、『遊び』のフンイキの絶頂がある。カレは陽動のタメにエコ・テロリストらをも利用しつつ、自社の強力なレイバーで警視庁の誇るイングラムにケンカを売り続け、そしてそのコトに『プロモーションのため』、『イングラムのデータを盗むため』、等々の理由をツケるのだが…。
がしかし実は、そんなコトをマジメに考えてない。さいごの方ではハッキリ言われるコトだが、カレには会社への忠誠心などまったくない。ツゴウに応じてクチ先で、『会社のタメに』と言うだけだ。
ではカレのしてるコトは何ンなのかとゆうと、よーするにカレもまた、『趣味の世界』の住人なのだ。SFアニメやソレ系のゲーム等が描いてるロボット戦を、カレは自分の手で、自分の目の前で、実現したいのだ。

そして内海が使ってる天才少年パイロットの≪バド≫はハッキリと、レイバーでの戦闘を『遊び』そのモノ、≪ゲーム≫としか想ってない。作の序盤で野明は、この少年+内海とぐーぜんに街のゲーセンで出遭い(そこね)、そしてお互い素性を知らぬまま、実戦の前にまず『パトレイバー』をシミュレートしたビデオゲームでウデを競い合う。何ンとこのゲーム自体が内海らの企業が開発したモノで、つまりはカレの展開してる『趣味の世界』の一環に他ならない。
そしてその≪ゲーム≫に対し、なかなかムキに向かい合ってるその3ビキの姿は、その後の本編の展開がひとまず『シミュレート』されたモノなのだ。ワリと常人らには理解しがたき『趣味の世界』にて、カレらはヘーキでそのカラダを張るのだ。

そもそもケーサツにレイバー隊が発足した主な理由が、『レイバーを悪用しての犯罪に対応するタメ』のよーなハナシだが。しかしそのレイバー隊の存在自体が酔狂なヤカラへの挑撥となって、ますます大それたレイバー犯罪が生じがち。つまりィ、『趣味の世界』がソコら中に広がる一方!…とゆう、なかなかマヌケな事態を描く作品であると、今作を見れるよーに感じる。(『Pt.2』へ続く)

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