2009/11/03

「20世紀少年」-と-「パトレイバー」 - パトレイバー(6)

「機動警察パトレイバー」とゆう作品系列に色濃く見えてる、『遊び』のフンイキ…とゆうコトにつぃて、また少々。まったくもってタマタマなンだけど、近ごろ永井豪「マジンガーZ」(1975)のまんがをチラホラと再読する機会があったンだが。
そーして想ったのは、『この悪のボスであるドクター・ヘルとゆうヒトは、ホントに≪世界征服≫をする気があンだろーか?』…とゆうコトだった。ソコにいたるまでの『プラン』てモンが、どーにも見えないとゆうか。イロイロと理由をツケてはいるンだけど、けっきょくはマジンガーZらと、じゃれ合いたぃだけなンじゃねーのか…とゆう気がしてならない
(かつ、おなじみの大幹部≪あしゅら男爵≫の思ワクは、ボスとはまたチガぅ。すなーちカレは『機械獣』の破壊力を用いて、『このくされきった世の中を』叩きツブす、自らの手で『世界をほろぼす』…ナドと、近ごろわれわれが言う『中二病』チックなコトをゆってやがるッ!)

と、こーゆうムカシのまんが(アニメ)の≪悪役≫らをいま見ると、『勧善懲悪のSFアクションとゆうジャンルの“構成上の要請”により、“目的論テキに設定”された』、とゆうシロモノに感じられてクる。で、ソレに対し…。
近ごろ筆者は、まんが版「パトレイバー」のスター的(?)悪役の≪内海課長≫につぃて、『かの≪デスラー≫や≪シャア≫らには及ばぬまでも』…なンてコトをカィたが。ソコで名が出た2巨頭らがSFアニメの悪役・カタキ役として、ドクター・ヘルあたりとは世代が異なり中ミが異なる感じ、とは想える。2人とも(相対的には)目的意識を持って合理的に行動してるワケだし、かつ、ジンブツとしての存在感がひじょうに大でもあり。

そのよーに『アニメ史』の中で、Late 1970'sにチョッとした革新があり、そーして悪役像とゆうモノも変化をきたした…とゆうのは誰もが知るコトだが。けれども≪内海課長≫はソレを追って、1つの≪転覆≫をヤラかしてくれてンのだ。
つまり古風な悪役らをいま見れば、『実は遊んでる、とゆうふーにしか見えない』とゆうトコを内海カチョーは、逆に肯定してる。悪の側での『合理性』を装いながらもカレは、『実はまったくもって遊んでるだけ』、とゆう悪役をイシキして演じてるのだ。ソコにいたっては逆に、レイバー隊とゆう善玉の方が、カレの遊びに必須な要素として『その存在を要請される』…とまでなってそーな感じッ!?

で、ワリに近年の作でそーゆうハナシをナニか知ってるなァ…と想ったら、浦沢直樹「20世紀少年」(2000)に、なかなか近ぃトコがある。コレは映画にもなった話題のまんがなのでご存じかと想うけど、その作中のカタキ役で≪ともだち≫を名のるオトコは、よーするに主人公らと『遊びたい』がタメだけに、幼時の『ごっこ』の延長として、次々と悪いコトをするのだった。
で、その「20世紀少年」とゆう作品には明らかに、1960'sのSFまんがへのオマージュとゆう性格がベッタリとツィている。モトの同級生である主人公らは、そんなモンに傾倒してたコドモ時代のコトをすっかり忘れてるケド、しかし≪ともだち≫はず~っとそのコドモ時代のドリ~夢に生きている。『趣味の世界』をゼンゼン卒業しないし、しようと想ってない。そして内海カチョーにしろ≪ともだち≫にしろ、デスラーやシャア以前のオールドタイミーな悪役らの行動様式を、逆にイシキ的に反復するのだ。
デスラーはもちろんシャアにしろ、その人物像には、≪オトナ≫だとゆう面がある(…カレらのカツヤクする「ヤマト」や「ガンダム」が、『オトナの鑑賞にもたえる作』、とか言われる理由の1つ)。少なくとも、ヒトをつかまえて『ボーヤだからさ』とかゆうヤツは、自分はオトナだと想ってるハズで。
けれど内海と≪ともだち≫は、オトナ特有のワル知恵や行動力を大いにそなえておりつつも、しかし根本テキには≪コドモ≫以外でない。オトナとしての手段やチカラを使うけれど、行動の理由や目的が≪コドモ≫以外でない

そしてこの21世紀初頭、いいトシしながらアニメとか見るにも、『コレは“オトナの鑑賞にもたえる作”だから』…ナドと言い訳をするヤツは、いまやもういない。トシは喰っても稚気がゼンゼン抜けないよーなヤカラ(オレ含む)があふれてるゲンザイに、内海カチョーや≪ともだち≫のよーな悪役像は、アップ2デートだとゆえるのかもなァ…と、コレらを見ていて筆者は考えたのだッた。ではまたっ!

2009/11/01

襲撃!『中二病』ゾンビの猛威! Pt.3 - パトレイバー(5)

(『Pt.2』からの続き…)まことにかってながら現在、筆者がひじょうにグッタリしてるワケは、以下をつぃさっき知ったからだ。すなーち。
ココまでの「機動警察パトレイバー」談義にて筆者は、ゆうきまさみによるまんが版を『原作』と称してキたが。しかしコレは(意外にも?)、フツーの意味での『原作まんが』ではないらしぃ。
かとゆってソレは、逆にいわゆる『コミカライズ版』なワケでもない。「パトレイバー」の原案者がゆうきセンセであるにはチガイないンだが、しかしさいしょからアニメ化へ向けて集団的に企画されたタイトルなので、ゆえにアニメでは『原作・ヘッドギア』とゆう集団(おそらく押井カントクを含む)の名義でクレジットされてンだとか。
なるほどねェ…。何ンかフンイキがおかしぃ、とは想ったンだ! 正直なところ、『ハメ』をカマされた気分だが! にしてもココまでをご覧になった方々におかれては、きっと『コイツ分かってねェな』とお感じのハズで、まことシツレイしました~!

で、そーとするとココまでのハナシは成り立ってンのか?…とゆうギモンも生まれがちだ。つまり『“原作”まんが vs 押井版アニメ』の対立軸を語ったよーなトコが多少はあったかと想うけど、ソコらがどーにもあやうぃ感じ。
が、でもあまりそーゆうコトは気にしない。つか自分では気になるンだけど、でも気にしないで進める。

にしても少々は『もよう』を修正して、次のように申し上げとこう。「パトレイバー」シリーズ全般の特徴として、主人公らのレイバー隊がフツーの警察とは異なるよーに、ソレに対する悪役らの側も、現にいるよーなフツーの犯罪者らとは毛色が異なる気配あり。その特徴はまんが版においてひじょうにきわだっており、特に≪内海課長≫(および、カレの手下のバド少年)の大カツヤクはきわめて印象テキだ…として。
で、さぁソレでは、われらが押井守カントクの代表作の1コかのよーにも言われる劇場版「パトレイバー」2本においての悪役らのジンブツ像は、どのよーだろうかッ? …とゆう問題意識が、あたかもあったかも、のよーにハナシをスリ換えた上で。

そーしてわれわれは押井劇場版「パトレイバー」の1本めに続き、その2本め(1993)を検討すンのだが。このさいランボーにゆっちゃえば、その作品は『中二病フェスティバル』くれーに形容デキる。
…とだけゆってヤメたぃ気がすンだけど、オトナの行動としてソレはないよーに想うので、なるべくカンタンに補足いたす。さきに見たよーに劇場版1本めの悪役は、分からぬなりにもチョコっと≪共感≫デキなくもない、けどサッパリ分からない…とゆう感じのヤツだった。しかし2本めの悪役らは、分かるも分からないもアホとしか想えない。

かつその所業を『遊び』とゆうには、どーにも茶目っけが不足すぎだ。どーゆう所業かとゆうとソイツらは、ごテイネイな陰謀をめぐらして自衛隊と警察との対立をあおり、そして『国家の非常事態』を演出する。
そしてニッポン国はクーデター前夜のよーな大騒ぎになるのだが、しかし何ンとその首謀者らには、クーデターを『成功』させようとゆう気がない。政権を奪取しよーとゆう意図がなくて、単に国家テキな大騒ぎを起こしたいだけなのだッた。確かコレにはレイバー隊の≪後藤隊長≫も劇中で、『どーゆうナンセンスなの?』のよーに呆れてたハズで。
…「パトレイバー」シリーズの描くジンブツ像について、前に筆者は≪酔狂≫とゆうコトバを用いたが。その酔狂さがココに、困ったカタチできわまってるかと見れる。

ところで事件の本格化に先だって後藤隊長に、自衛隊方面の情報部員を名のるオトコが接触してクる。さいしょは『事件に関する情報交換を』…とゆう口実でだったが、2人がやや打ちとけるにつれて、コイツがおかしぃコトを言い出してクる。いわく、『こンな社会のギマン的な“平和”とやらをオレらが守ってて、何ンかイミがあるのかねェ?』…とか何ンとか。
とゆうモノを見て、オレごときが『上から目線』の申しようでスマンが、このテのヘリクツこそアッパレなる『中二病』の症候にマチガイない『(子供基準での)政治や社会の矛盾を批判してみたり』と、ゆわれてるヤツだ。で、ソレをフケた坊ちゃんが敢行してやがるのが、どーにも可愛げなく見苦しぃ。
かつ、いちおうその場では伏せられたコトだが、このお芝居を見たら即、『コイツはクロだな。』と気づかねばウソだろう。じっさいコイツは悪党の一味で、デキるならわれらの後藤隊長をも、その無イミな悪事に巻きこもーとしてるのだった。

そして、この『中二病』チックな悪党らが、他ならぬ後藤隊長を抱き込もうとしてるコトには、理由がないとも言えない。
ナゼならば『中二病』はキホン的に≪独身者≫をむしばむ症候であり、そしてわれらのタイチョーもまた(いいトシしてナゼか)、その独身者だからだ。つぃでに見とくと後藤の同僚としておなじみの≪しのぶサン≫もまた独身なので、この悪党どもから『キミには分かるよネ?』ナドと、イヤな≪共感≫を期待されちまうのだッた。
アタリマエだが配偶者やコドモがあって、そしてこのよーなバカな『遊び』に参加とか、デキない…つか、ヤろーと想うワケがない。この騒動のおかげで、まっとーな家庭人をきわめようとしてる≪進士隊員≫がこーむった甚大なるメイワクは、けっして無イミに描写されてンのではない

がしかし、いいトシして独身であれば『中二病』だと限ったワケでもないので、われらのタイチョーたちはそんな誘いには乗らない。…トーゼンだ。
けれどもカレらが『ゼンゼン考慮外!』…とゆう感じの反応もしてないのは、やっぱ『中二病』とゆうアチチュードが(その当人となれば)、ビミョーにも魅力あるモンだからなのだろーか? 『ゾンビが怖ければ、ゾンビになってしまえ』とゆう格言があるよーだが、コレはソレなのだろーか?
ともあれ、われらがレイバー隊らのカツヤク等によって劇中で、『中二病男児の理想郷!!』…的なモノの実現は阻止される。ソレを見て想えば、『実際の自分よりも自らを悪く見せかけようとするものの、結局何も行動を起こさないでそのまま収束する』、とゆう『中二病』患者らの性向は、確かに失笑モノかも知れない、が…。
しかしそンなツマラねぇ≪行動≫とかをヤラかしてくれるよりは、『そのまま収束』で終わってくれた方が、よ~っぽどマシだとゆうコトが知れよう。…このハナシは、どっかに続く。